この記事の結論
- ジョリパットなど砂壁調の外壁は、質感を残す塗料を選べば、塗り替えても凹凸のある風合いを保てます。通常のツルッとした塗り方をすると、質感が変わるおそれがあります。
- 弱点は凹凸に汚れがたまりやすいこと。防汚性のある塗料や、仕上げの光触媒コーティングで備える方法があります。ただし光触媒にも効きにくい場所があります。
- 丘の上の家は、遮るものが少なく、日差しと風雨を受けやすい傾向があります。テラスやガレージなど外まわりも一緒に直すと、統一感が出ます。
- 「新築とまったく同じ」になるかは、下地の状態と塗料選びしだいです。現地で外壁を見てからの判断になります。
南区の丘の上に、洋風の家が多い理由
株式会社G.B.S の長谷川です。
私たちの本社がある横浜市南区には、丘の上や高台に建つ、洋風の住宅があります。洋瓦の屋根に、マットな質感の壁。素敵な家ですが、いざ塗り替えとなると、こんなご相談をいただきます。
「壁がザラザラしている。塗装したら、この雰囲気が変わってしまうのでは?」
「汚れが目立ってきた。塗り替えれば、また綺麗になる?」
G.B.S では、南区で砂壁調の洋風住宅の塗り替えを2件施工しました。この記事では、その経験をもとに、ご相談の多いポイントを整理します。南区の丘と住宅地の事情は南区で外壁塗装の前に知りたい七つの丘と住宅密集地の事にまとめています。
ジョリパットとは?砂壁調の外壁の特徴
ジョリパットは、骨材(砂や小石のような粒)を含んだ、凹凸のある仕上げの塗り壁です。洋風住宅でよく使われ、マットな質感と、さまざまな模様が特徴です。
なお「ジョリパット」はアイカ工業の商品名です。同じような砂壁調・吹付け仕上げの外壁は、ほかにも多くあり、現場では「砂壁」と呼ぶこともあります。この記事では、これらをまとめて「砂壁調の外壁」と書きます。ご自宅の外壁が塗り壁かモルタルか分からない場合は、サイディング・モルタル・ジョリパットを見分けるチェック表で確かめられます。
つるんとした平らな塗り壁とは違い、表面に凹凸があることが、風合いの理由であり、同時に汚れの理由でもあります。
塗装で質感は残せる?
質感を残す塗料を選べば、凹凸のある風合いを保ったまま塗り替えられます。
通常の塗料をローラーで塗ると、凹凸が塗膜で埋まり、表面が平らに近づくことがあります。砂壁調の外壁には、そのための塗料があります。
G.B.S が南区で施工した実績では、塗料の中に骨材が混ざった、砂壁用の意匠性のある塗料を使いました。通常の塗料と違って、塗装のあとも、ザラザラとした質感を再現できます。しかも発色のよい色を選べるので、質感を残しながら、イメージチェンジもできます。
ただし、「新築と全く同じ」になるとは言い切れません。表面の傷み具合や、既存の仕上げの種類で結果は変わります。どこまで戻せるかは、現地で外壁を見てからお答えします。
汚れやすい弱点に、どう備える?
砂壁調の外壁は、凹凸に汚れがたまりやすいのが弱点です。備え方は、下地づくり・塗料選び・仕上げの3段階で考えます。
1. 下地:しっかり洗って、ひび割れを直す
凹凸の奥にたまった汚れやコケは、そのまま塗ると塗料の密着を妨げます。高圧洗浄で汚れを落とし、十分に乾かしてから塗ります。ひび割れがあれば、先に補修します。高圧洗浄の必要性は外壁塗装になぜ高圧洗浄が必要なのか、下地処理は下地処理で失敗しない見極め方で書いています。
2. 塗料:汚れにくい性質のものを選ぶ
砂壁の宿命ともいえる汚れやすさを補うために、汚れが付きにくい(防汚性の高い)塗料を選ぶ方法があります。
3. 仕上げ:光触媒コーティングという選択肢
G.B.S が南区で施工した洋瓦とジョリパットの家では、塗装のあとに光触媒コーティングを施工しました。
光触媒コーティングは、塗装(上塗り)が終わったあとに、仕上げとして塗る、透明なコーティングです。壁の色は、塗った色のままです。
仕組みは、次のとおりです。
- 酸化チタンが日光(紫外線)を受けると、表面に付いた油分などの汚れを分解します。
- 同時に、表面が水になじみやすくなります(親水性)。
- 雨が降ると、水が汚れの下に入り込み、汚れを浮かせて洗い流します(セルフクリーニング)。

ただし、光触媒は万能ではありません。正直にお伝えしておきます。
- 光と雨が当たることが前提です。日当たりの悪い北側の面や、雨の当たらない軒下では、効きが弱くなります。
- 錆・砂ぼこり・黄砂のような無機質の汚れは分解できません。
- 下の塗料や外壁材との相性があり、専用の下塗り材が決まっている場合があります。
- 濃い色の壁では、光の反射で、油膜のようなムラが見えることがあります。
- 雨の日や湿気の多い日には施工できません。
費用や、効果が続く年数は、製品と施工条件で変わります。使うかどうかは、家の向き・日当たり・色を見て、一緒に決めます。
丘の上の家で気をつけたいこと
丘の上や高台の家は、日差しと風雨を受けやすい傾向があります。外まわりも含めて、建物全体を考えるのがおすすめです。
一般に、高台は周りに遮るものが少なく、日差しや風雨がまともに当たります。外壁の傷みは、日当たりの良い面と悪い面で差が出やすくなります。
G.B.S の南区の実績では、テラスとガレージも外壁と同じように再塗装して、建物全体を新築当初の雰囲気に整えました。外壁だけを新しくすると、古いままの外まわりが目立つことがあるためです。
屋根が洋瓦の場合は、瓦の種類によって塗装が必要かどうかが変わります。粘土を焼いた瓦は、基本的に塗装が不要です。セメント瓦・コンクリート瓦は、塗装で守る必要があります。詳しくはモニエル瓦の塗装は「誰がどう塗るか」で決まるをご覧ください。
色選び:凹凸のある壁は、見え方が変わる
凹凸のある壁は、影ができるため、小さな色見本と、実際の壁の色の見え方が違うことがあります。
色決めのときは、カラーシミュレーションで全体の雰囲気を確認します。そのうえで、色見本だけで決めきらず、大きな面で見え方を確認すると、仕上がりのイメージとのずれを減らせます。
工事の流れ(砂壁調の外壁の場合)
| 工程 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 現地調査 | 外壁の仕上げの種類・ひび割れ・汚れを確認 | 質感を残せるかを判断 |
| 2. 高圧洗浄 | 凹凸の汚れ・コケを落とす | 十分に乾かしてから次へ |
| 3. 下地補修 | ひび割れなどを補修 | |
| 4. 下塗り | 塗料を密着させる | 3回塗りの基本 |
| 5. 仕上げ塗り | 質感を残す塗料で塗る | 製品ごとに決められた塗り方を守る |
| 6. 光触媒(希望や条件により) | 仕上げに透明のコーティング | 日当たりと色を見て判断 |
| 7. 付帯部・外まわり | 樋・破風・テラス・ガレージなど | 建物全体で統一感を出す |
塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本です。理由は外壁塗装は何回塗りが正解かで解説しています。
よくあるご質問
ジョリパットは塗装できますか?
できます。ただし、質感を残したい場合は、骨材の入った意匠性のある塗料など、外壁に合った塗料を選ぶ必要があります。通常の塗料を平らに塗ると、質感が変わることがあります。
汚れやすいと聞きました。塗り替えても、また汚れますか?
凹凸があるため、汚れがたまりやすい性質はあります。防汚性のある塗料や、光触媒コーティングで、汚れの付きにくさを高める方法があります。ただし、北側や軒下など光や雨が当たりにくい場所では効きが弱くなります。
色を変えることはできますか?
できます。砂壁用の塗料には、発色のよい色もあります。カラーシミュレーションで全体のイメージを確認してから決められます。
費用はどのくらいかかりますか?
壁の面積・下地の傷み・塗料・光触媒の有無で変わります。費用の一般的な考え方は横浜市の外壁塗装の相場にまとめています。具体的な金額は、現地で外壁を見てからお伝えします。
まとめ
- 砂壁調の外壁は、質感を残す塗料を選べば、風合いを保ったまま塗り替えられます。
- 弱点の汚れには、洗浄・塗料選び・光触媒の3段階で備えます。光触媒には、効きにくい場所もあります。
- 丘の上の家は、外まわりも含めて建物全体で考えるのがおすすめです。
- 「どこまで戻せるか」は、現地で外壁を見てからお答えします。
お住まいの外壁が、砂壁調かどうか分からない場合も、お気軽にご相談ください。
出典と確認日
以下は2026年9月30日に確認した内容です(光触媒工業会の2件は2026年10月3日に確認)。
- 株式会社G.B.S 施工実績「横浜市南区 M様邸」(2件)https://yokohama-gbs.com/area/横浜市南区
- 光触媒の仕組み:国立環境研究所「環境展望台」https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=39
- 光触媒の仕組み:光触媒工業会「光触媒の基礎」https://www.piaj.gr.jp/guidance/beginning/
- 光触媒の仕組み:光触媒工業会「光触媒Q&A」https://www.piaj.gr.jp/guidance/faq/
この記事は、一級塗装技能士の長谷川 学(株式会社G.B.S 代表)が執筆しました。
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